「飯村チャレンジ奨学金」創設1年 対象者さらに拡大へ 宇都宮大

 宇都宮大として初の給付型奨学金の一つ、「飯村チャレンジ奨学金」が本年度創設されて1年。初年度は1~4年生12人が給付を受け、経済的な負担を軽減して学業とボランティア活動の両立などに励んだ。「若者の志を後押ししたい」−。同奨学金の原資の寄付者から今月、さらに1千万円の追加寄付があり、同大は新年度、対象者を増やすなど奨学金を拡充させる。

 同大は本年度、飯村チャレンジ奨学金と、入試前に給付を内定する「入学応援奨学金」の二つの給付型奨学金を創設した。特にチャレンジ奨学金は、同大経営協議会委員の飯村慎一(いいむらしんいち)さん(70)が経営する光陽電気工事(宇都宮市)の寄付金1億1千万円を基に設立された。世帯収入400万円以下の学部生12人に1年間、月3万円ずつ給付する。

 初年度に受給した1人、国際学部4年緑川沙智(みどりかわさち)さん(23)は3年生の時に半年間休学して取り組んだ東日本大震災の復興支援活動を復学後も続けたいと考えて応募した。

 学費や生活費を補うアルバイトに費やしていた時間を「やりたいことに充てられた」と緑川さん。就職活動や卒業論文をこなしつつ月1回程度、古里の福島県や岩手、宮城両県を訪れ、現地の人々に取材してインターネットで記事を発信し、若者と年配者の対話を促す福島県富岡町のボランティア活動にも加わった。

 奨学金を得た1年間での経験を「被災地の課題を多くの人に届けたいという意識がより高まった」と振り返る。卒業後は福島民友新聞社(福島市)で記者職に就くことが決まった。他の学生の多くも、子ども食堂や無料学習塾などのボランティア活動に取り組んだという。