風船が縁、半世紀超の「花の交流」に幕 吾妻小と神奈川の農家、関係者逝去で区切り 佐野

 【佐野】半世紀以上続いてきた吾妻小(児童数97人)と神奈川県横須賀市の花き農家との交流が1日、惜しまれつつ幕を閉じた。1960年秋、同校の飛ばした風船が約200キロ離れた花き農家に届いたことで結ばれた絆。毎年花が贈られるなど、交流が続いてきたが、花き農家側の当事者が昨年、他界したことなどから区切りを付けることになった。この日、同校での記念式典には故人の家族も出席し、石川厚美(いしかわあつみ)校長が「まさに心の交流。わが校の誇りです」などと感謝の言葉を述べた。

 きっかけの風船は、同市の故軽部千代(かるべちよ)さんが見つけ、その時以来、毎年同校にはスイセンやナノハナが届けられた。千代さんが亡くなった後は息子の道男(みちお)さんに引き継がれたが、その道男さんも昨年2月に亡くなったことなどから交流を続けることが難しくなった。

 最後の交流となる、この日の式典には全児童と学校関係者、同校OB、地域の人など約100人が出席した。道男さんの長男裕輔(ゆうすけ)さん(52)家族5人が招待された。

 千代さん、道男さんの遺影に黙とうした後、石川校長が「寒い冬、一足早い春を届けていただいた温かい気持ちは決して忘れません」と、深々と頭を垂れた。

 交流の経緯が描かれた絵本「軽部さんありがとう」の朗読も行われた。児童代表の6年野村晃暉(のむらこうき)さんが「毎年スイセンが届くと、家族と共通の話題で会話が弾み、世代を超えた交流でした。長い間ありがとうございます」と感謝し、裕輔さんに花束を贈呈した。