本県関係者から寄せられた年金相談の手紙を手にする柴田さん

 戦時中に軍需工場で働いていた人などの年金が埋もれたままになっているケースがある。この問題に取り組む年金コンサルタント柴田友都(しばたゆういち)さん(70)=埼玉県川口市=はこうした年金を5千件以上発見し、受給に結び付けてきた。本県関係者からもこれまでに50件を超す相談や調査依頼が寄せられており、柴田さんは「本格的な掘り起こしに着手したい」としている。

 年金は法律上、請求しなければ支給されない仕組み。柴田さんは依頼者から相談を受けたことをきっかけに1991年に「発掘作業」を始め、地元の埼玉県を中心に東北地方などで活動してきた。

 2007年には誰のものか分からない年金記録が約5千万件あることが判明し、大きな社会問題となった。現在も2千万件が未解明のままだ。

 柴田さんが扱った事例の中で多いのが、戦時中、軍需工場に徴用されたり、挺身(ていしん)隊に動員されたりして働いた人。陸軍や海軍の共済組合(旧令共済組合)に加入して年金保険料を納めていた可能性があるが、年金手帳を受け取っていない人が多いという。