ねんきん酒場開催1周年を記念し乾杯する参加者

 【那須塩原】高齢者が気軽に集まれる場にしようと地域住民が運営する、東小屋の「ねんきん酒場」が盛況だ。年金受給者らがアルコールを交えながら交流を深められるのが人気の秘密。「高齢男性の集まれる場がほしい」という声が始まりで、今月1周年を迎えた。現在は市内2カ所、年金支給日を目安に月1回程度開かれるなど定着、拡大しつつある。

 今月中旬、夕。「酒場」に一人、また一人とやって来る。その度に「乾杯」とグラスを傾け、趣味から時事ネタまで幅広い話題に花が咲く。午後8時になり自己紹介が始まった。

 ねんきん酒場は昨年冬、東那須野地区で高齢者の見守り組織がある自治会などの会合で「高齢男性が出られる場がない」という複数の意見をきっかけに開設した。

 同地区の元公民館長で、開設当初から関わる小泉信三(こいずみしんぞう)さん(63)は「女性はコミュニケーションが上手だが、高齢男性には引きこもりがちな人もいる。『おやじ』が来られる場にしたかった」と話す。

 JR那須塩原駅近くにNPO法人が運営する食堂が「酒場」だ。低額で、酒とつまみ、居合わせた同年代の仲間との会話を楽しめる。

 東那須野区自治会長でねんきん酒場の責任者松本祥三(まつもとしょうぞう)さん(69)は「麻薬Gメンだった人など実にいろんな人が来る。突っ込んだ話もできて楽しいですよ」と話す。約8年前に神奈川県から移住した元会社員、早坂孝行(はやさかたかゆき)さん(70)は「新しい友人ができる」とほぼ毎回欠かさず参加している。

 ねんきん酒場は現在、JR黒磯駅前のそば店でも別の住民らが開設しており、広がりを見せる。

 「楽しいから続けている」と話す松本さんは「2周年、3周年へとつなげていけたら」と意気込んだ。