高齢者の性について話し合われた関東甲信越静性教育研究大会の分科会=下野市

 高齢化が進む中、介護現場などで「高齢者の性」に関心が高まっている。今秋、下野市で開かれた関東甲信越静性教育研究大会(とちぎ思春期研究会など主催)でも分科会テーマの一つとして取り上げられ、タブー視せずに丁寧に向き合う必要性が再認識された。

 宇都宮市内の特別養護老人ホームで働く介護福祉士登嶋美香(としまみか)さんは、認知症の男性入居者(86)の排せつケアに関する事例を報告した。陰部に薬を塗るケアが必要だったが、男性の抵抗が激しく難航。「ズボンを下げられることが嫌なのでは」と推測し、寝間着を浴衣に替えたところ抵抗が減ったという。

 「ズボンを下げられることには恥ずかしさや恐怖心がある。抵抗はごく自然なことと気付いた」と登嶋さん。自治医大の高村寿子(たかむらひさこ)名誉教授は「嫌がるのは一つの意思表示。何を訴えているのかを大事に」と助言した。