大久保で伝統の初午念仏 掛け軸前に豊作など祈る 大田原

 【大田原】大久保の20戸で構成される大久保下講中(しもこうじゅう)はこのほど、地区公民館で伝統の初午(はつうま)念仏と百万遍念仏を行った。

 地区住民でつくる「講」はかつて全国各地に存在し、豊作や生活の安泰を祈る儀式を営んだが、生活様式の変化などに伴い減りつつある。大久保下講中は、実施場所を各家の持ち回り制から公民館に変え、負担の少ないよう工夫するなどして現在も年に数回の儀式を行っている。

 50年ほど前に講中となり、現在太鼓を担当する益子賢(ましこけん)さん(76)は「昭和40年代ごろまで百万遍や初午念仏は周辺地域でも広く行われていたが、残存するのはわずか」と語る。先人のひたむきな祈りを記憶にとどめようと、数年前から後継者の育成を始め、手順をまとめた資料も作成した。

 当日は各家の代表者19人が出席。大日如来の掛け軸の前で輪になり、太鼓の拍子に合わせ念仏を唱え、全員で大きな数珠を回した。