聖火つなぐ平和の“両輪” 自転車が韓国・北朝鮮の境界線近く走る 各地で多彩な演出も

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開幕が5日後に迫った。開催国・韓国での聖火リレーは101日間、韓国全土2018キロを約7500人でつなぐ。2020年の東京五輪では本県を含め全国で開催が見込まれる。1月下旬、終盤に入った韓国の聖火リレーを視察し、2年後に思いをはせた。

 最初に訪れたのは、北朝鮮との軍事境界線に近い韓国北部の高城(コソン)。北朝鮮との分断の痛みが残り、平和に対する願いが強い地域の一つだ。

 聖火リレーのスタート地点は軍隊などの厳重な警戒があって視察できず、離れた場所でしばらく待機した。視察初日は日本が大雪に見舞われた直後の1月26日。最低気温は氷点下24度で、海風も当たる。今までに体感したことのない、いてつく寒さだった。

 ここでは自転車がリレーに使われた。メインランナーのサドルに、特別にしつらえた棒が取り付けられ、先端に聖火を差し込んで先頭を走る。その後ろを一般公募ランナー約70人が車列を組んで続いた。

 「自転車は二つの車輪で走る。一つは韓国、もう一つは北朝鮮。自転車による聖火リレーは平和五輪を意味する」。ガイドが説明してくれた。

 待機中に若い軍兵から指摘を受けた。「海の先は北朝鮮だから、その方向にカメラを向けないで」

 緊張が走る地域だけに、沿道にはほとんど観衆はいない。十数人の園児が近くでランナーに声援を送っている程度だった。

 ドローン(小型無人機)の上に聖火を乗せたり、聖火を持って氷瀑を登ったり、ウエットスーツ姿の海女さんが海でリレーしたり…。韓国各所では、工夫を凝らした多様なリレーが行われていた。

 トーチを車に載せて移動する区間もあった。市街地では、聖火リレーの協賛社である飲料メーカーや通信会社などの車が聖火の前を走る。「ファイティング、ファイティーング!」。大勢の観衆からランナーに声援が飛んだ。