加熱式普及でたばこ店の客離れ深刻 栃木県内 コンビニ販売が主流

 全国的に加熱式たばこの普及が進み、県内でも利用者が増えている。たばこ業界には2008年の成人識別ICカード「タスポ」導入時以来の新たな波が押し寄せた格好。ただ、加熱式はコンビニエンスストアでの販売が主流のため、小規模な県内小売店は深刻な客離れに見舞われ、その経営は岐路に立たされている。

 「別世界でブームになっている感覚」

 県たばこ販売協同組合連合会の加盟750店では加熱式の取り扱いはごく一部で、大多数の小売店からはこうした声が聞こえている。

 たばこ市場における加熱式たばこの全国シェアは20%に迫る勢いとされる。「県内でもそれぐらいあるのでは」と同連合会の川島一男(かわしまかずお)事務局長はみる。

 加熱式たばこはメーカー主導で販売店を制限されるなど、現状では主にコンビニで販売されている。本体部分は生産が追い付かず、小規模な小売店では加熱式を取り扱えなかった。

 国内で販売される加熱式はフィリップ・モリスの「アイコス」、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」、日本たばこ産業の「プルームテック」の3種。県内ではコンビニを中心にアイコスとグローが販売されている。

 こうした中、宇都宮市中心部で60年以上たばこを扱う老舗商店には、1月に入ってから加熱式の売り込みが初めてあったという。この商店主男性は「供給が追い付いて、小さな店にも置けるようになり始めているのでは」と話す。

 フィリップ・モリス日本の担当者は「(たばこ部分の)ヒートスティックは全店で置けるようにしているが、本体は対面で個別に使用法などを説明できる環境で売る方針があるので、限られた所で取り扱いをしている」と説明する。

 同連合会によると、タスポ導入以降、自動販売機の売り上げは7~8割落ち込み、個人店は経営が厳しくなった。県内の組合加盟店でも毎年7~8%が廃業を余儀なくされているという。