J2栃木SCの新監督に、J2大分をJ1昇格に導いた実績もある田坂和昭(たさかかずあき)氏(47)が就任した。今季は13勝11分け18敗の17位に終わった栃木SC。持ち味の堅守で9試合負けなしもあったが、無得点も17試合と決定力不足が改めて浮き彫りになった。17日の就任記者会見で、来季からかじ取り役を担う田坂新監督は「守備のベースがあり、のびしろはある」とチームの躍進に自信を見せた。
一問一答は次の通り。
-栃木SCの監督を引き受けた理由は。
「まず非常に誠意のあるオファーを受けた。『このクラブを何とか変えてほしい。経験を注いでほしい』という熱い言葉にも心打たれた。栃木は堅守速攻が確立されているが、新たなチャレンジができる可能性にやりがいを感じた」
-来季の戦い方のイメージは。
「戦力がそろった時点で考えたい。そこで何位を狙うかなど数字の目標も言える。戦術は陣容次第だが、現代のサッカーはスペシャリストがいるだけでは勝てない。11人全員が攻守でハードワークすることには変わりない」
-若手の育成にも定評がある。
「監督業で一番やりたかったこと。自分自身もサッカーを通して人間的に大きくなれたし、選手にもその感覚を味わってほしい。栃木には個性のある面白い選手がたくさんいる。伸ばしてあげたいというのはおこがましいが、選手と一緒に私も経験を積ませてもらう」
-選手たちに何を最も求めるか。
「好きなサッカーを仕事にしている以上、サポーター、スポンサー、地域に還元しなければいけない。1人の社会人として何をすべきか、地域に何が貢献できるかを考えて仕事をしてもらいたい」
-県グリーンスタジアムの芝は、傷みが激しい時期があった。
「どのチームでもそういう状況はあった。環境を言い訳にしてはいけない。環境は変えられないが、自分の気持ちは変えられる。ここがわれわれのホームだ、ぐらいの気持ちで戦ってほしい。良くない環境でもやるのがサッカー。逆にそこで感動を与えられたらいい」
-県民にメッセージを。
「栃木県は縁もゆかりもないが、だからこそ楽しみたい。われわれはサッカーを通し感動や勇気を与えたい。みんなと一緒に戦うことができれば大きなパワーにもなる」