【オウム全裁判終結】 栃木県内関係者「もっと早く終わってほしかった」「大きな区切り」

 1995年の地下鉄サリン事件などに関わったとして殺人罪などに問われた元オウム真理教信者高橋克也(たかはしかつや)被告(59)の上告棄却が19日、明らかになった。一連の教団を巡る裁判終結に、県内の事件被害者や教団進出に揺れた大田原市の関係者は、過ぎ去った時間の長さに複雑な思いを打ち明けた。

 「もっと早く終わってほしかった」。地下鉄サリン事件に巻き込まれ、今もふらつきなどの後遺症がある那須塩原市鍋掛、尾山孝治(おやまこうじ)さん(84)は、ため息交じりに話した。

 当時は川崎市在住。駅清掃の仕事で日比谷線に乗り事件に遭った。今も診断名の付かない症状に悩まされる。裁判終結で松本智津夫(まつもとちずお)死刑囚らの刑執行が現実味を帯びる。「悪いことは悪い。早く悪夢を終わらせてほしい」と吐露した。

 教団は99~2000年、大田原市内に信者らが共同生活する教団施設を置いた。当時市長だった千保一夫(せんぼかずお)さん(74)は「大きな区切り。二度とこのような団体が生まれないことを願う」と訴えた。

 教団への恐怖がよぎる中、当時は「相当な覚悟で対応した」。24時間態勢の監視活動などを行った市民の姿が印象に残っている。

 裁判は終わるが、一抹の不安も残る。「(松本死刑囚らの死刑)執行後、マインドコントロール下にある者たちが暴走しないか」と懸念を口にした。