宇都宮の母校祝福、図書館にも予約殺到 門井さん直木賞から一夜

 宇都宮市出身の門井慶喜(かどいよしのぶ)さん(46)の「銀河鉄道の父」に直木賞が決まって一夜明けた17日、門井さんの母校・宇都宮東高は祝福ムードに包まれた。一方、同市内の書店は同作品を買い求める人たちが朝から訪れ、図書館には貸し出しの予約が殺到するなど、地元が生んだ直木賞作家の作品を読んでみようという市民の動きが広がった。

 群馬県桐生市生まれの門井さんは3歳で宇都宮市へ転居し、同市国本中から宇都宮東高、同志社大文学部へ進んだ。卒業後は同市に戻り1994~2001年、市内の帝京大理工学部に職員として勤務した。仕事の傍ら小説を執筆し、03年にオール読物推理小説新人賞、16年に日本推理作家協会賞を受賞。現在は大阪府寝屋川市に住む。

 宇都宮東高では17日、先輩の栄誉をホームルームなどで教諭が生徒に紹介。特に3年生は2年の時、朝の読書活動のため門井さんの小説を購入したことがあり、拍手が起こるなど祝福ムードに包まれたという。

 自身も同校卒という川久保修(かわくぼおさむ)教諭(55)は早速、個人的に購入した「銀河鉄道の父」を手に授業で説明。「とても読みやすく生徒のプラスになる内容。受賞を機に、より多くの生徒が門井さんの作品世界に触れ、新しい物事との出会いがもたらす感動を味わうきっかけになれば」と願った。

 各書店は特設コーナーを設けるなどした。宇都宮市馬場通り2丁目の喜久屋書店宇都宮店は受賞が決まった16日夜から店内の目立つ場所に在庫の5冊を並べ、「祝! 直木賞」と書いた看板を掲げた。購入した同市駒生町、無職長谷川勝比古(はせがわかつひこ)さん(70)は「新聞で門井さんの受賞を知り、気になって買いに来た。地元出身の人の受賞はやはりうれしいですね」と笑みを見せた。

 同市川向町の八重洲ブックセンター宇都宮パセオ店の原田裕(はらだひろし)店長(46)は「開店直後に買い求めていったお客さまもいた」と話す。追加発注分は27日ごろに入荷するという。

 一方、図書館は貸し出しの予約が相次いだ。同市の図書館が17日朝までに受け付けた「銀河鉄道の父」の貸出予約件数は106件。16日夜から急増したという。