ヒップホップ調にアレンジした新たな「那須音頭」の稽古に励む芸者たち

 【那須】湯本の芸妓(げいぎ)置き屋「藤乃家(ふじのや)」の芸者たちが、創業以来お座敷で披露してきた「那須音頭」をヒップホップ調にアレンジした新たな踊りの習得に励んでいる。最盛期には約30軒あった那須温泉の置き屋も、現在活動しているのは藤乃家のみ。導入を決めた女将(おかみ)の根本啓子(ねもとひろこ)さん(78)は「ただ守るだけでは伝統は守れない。芸妓も新しいものを採り入れないといけない時代」と話している。

 藤乃家は1934(昭和9)年創業で、根本さんもかつて芸者として活躍し、母親から女将を継いだ。「お座敷は今は常連さんがほとんどで、頻繁に入ることはない」といい、所属する10人の芸者は別に仕事も持ちながら稽古に励み、お座敷に臨んでいるという。

 「那須音頭」は古くから伝わるお座敷の定番。ヒップホップ調にアレンジされ、那須小の児童が運動会で披露したことを知り、採り入れることを決めた。根本さんは「美空(みそら)ひばりだってジャズや民謡、演歌など時代の流れに合わせてスターであり続けた。芸妓も同じはず」と話す。

 芸者たちは、振付師桜井正勝(さくらいまさかつ)さん(46)の指導を受けながらお座敷の直前まで動きの確認作業を続けてきた。すり足の動作が多い通常の踊りと違い、今年流行した「DA PUMP」の「U.S.A.」風に飛び跳ねる動きもあり、芸者のまり香(か)さんは「アップテンポな曲調に合わせたフォーメーションなど難しいところもあるが、新しい風を入れるのはいいこと」と熱心に取り組む。

 11日夜には町内のホテルで、伝統の那須音頭に続きヒップホップ調の踊りも初披露した。根本さんによると「新旧の那須音頭の違いが分かりやすくていい」と好評だったといい、「稽古を重ね習熟度を上げたい」と話していた。