宇都宮出身・門井さん、3回目直木賞候補 「ぜひ取りたい」と心境 16日選考会

 第158回直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が16日夕、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、宇都宮市出身の門井慶喜(かどいよしのぶ)さん(46)の「銀河鉄道の父」など候補5作品を審査する。今回で3回目のノミネートとなり受賞が期待される門井さんは13日までに、出版元の講談社(東京都文京区)で記者会見し、「いただけるなら、ぜひ取りたい」と心境を語った。

 門井さんは宇都宮東高から同志社大文学部に入学。卒業後は宇都宮市に戻り帝京大理工学部の職員をしながら小説を執筆し、2003年に「キッドナッパーズ」でオール読物推理小説新人賞を受賞した。16年には「マジカル・ヒストリー・ツアー」で日本推理作家協会賞を受けた。現在は大阪府寝屋川市在住。

 「銀河鉄道の父」は宮沢賢治(みやざわけんじ)の父政次郎(まさじろう)の視点で、37歳の若さで亡くなった賢治の生涯を描いた作品。門井さんは「賢治と父親の関係を書きたかった。父子というテーマは現代的でもあり、読者が共感できると思った」と説明する。「賢治が家業の質屋を継がなかったように、僕も実家の料理屋を継がず作家になった。僕にも亡き父への贖罪(しょくざい)の気持ちがある」と執筆に全力を注いだ。

 2015年の「東京帝大叡古(えーこ)教授」、16年の「家康、江戸を建てる」に続き3回目の直木賞候補。受賞へ周囲の期待が高まる中、「日々の原稿執筆に集中しているので、それほど意識はしない」と話した。

 他の候補者は伊吹有喜(いぶきゆき)さんと沢田瞳子(さわだとうこ)さんが2回目のノミネート。彩瀬(あやせ)まるさんと、藤崎彩織(ふじさきさおり)さんは初で、藤崎さんはロックバンド「SEKAI NO OWARI」のメンバーとして活動している。