別離親子の面会交流、家裁への調停申立が増加 民間団体の支援、栃木県内でも広がり

別離親子の面会交流、家裁への調停申立が増加 民間団体の支援、栃木県内でも広がり

 離婚や別居で離れて暮らす子どもと会う「面会交流」を巡り、家庭裁判所に調停を求める申し立てが増えている。宇都宮家裁によると、2016年の調停申立件数は201件で、10年間で約2・4倍に増加。12年の民法改正で「子の利益を最優先としなければいけない」と明記されたことなどが背景にあるが、夫婦間の問題から面会が実現しないケースも多く、県内でも民間団体による支援活動が広がりつつある。

 面会交流は、子どもが父母のどちらからも愛されていると実感できて安心感を得られるため、成長のために重要とされる。その内容や方法は父母が決めるが、話し合いがまとまらない場合は家裁に調停を申し立てて取り決めを求めることができる。

 宇都宮家裁によると、07年の調停申立件数は83件。09年に100件を超えた後も右肩上がりが続き、15、16年は200件を超えた。逆に県内の離婚件数は02年の4407件をピークに減少基調で、近年は3500件前後で横ばいが続く。

■「子の成長のために」願う支援団体スタッフ 面会交流に付き添い

 子と離れて暮らす親や支援者はどのような思いで「面会交流」に臨むのか。面会交流を支援する団体「宇都宮ファミリー相談室」(宇都宮市)のスタッフが付き添って行われた親子の面会交流を取材した。

 11月中旬の晴れた週末、宇都宮市西川田4丁目のとちのきファミリーランド。周りにいる大勢の家族連れと同じように、笑顔で乗り物を楽しむ父子の姿があった。

 茨城県つくば市でコンビニエンスストアを経営する父親(42)と小学6年の息子(11)、小学2年の娘(8)。離婚した母親(44)と東北地方で暮らす兄妹が父に会うのは1カ月ぶり。手をつないで歩いたり、一緒に自動販売機で飲み物を買ったり。時間を惜しむように、ボートやジェットコースターなどに次から次へと乗り込み、3人で初めてプリクラも撮った。

 支援の依頼を受けた同相談室の女性スタッフ(70)は、離れた場所から見守っていた。「付き添いはするが、邪魔はしないようにしないと」。近づき過ぎず、離れ過ぎず。そんな距離間を心掛けているという。

 今回の面会交流は、父親が調停を申し立てた。2012年夏に始まり、おおむね2カ月に1度のペースで続く。交流は1回2時間。「ただの2時間じゃない。この一瞬一瞬が、普段はないんだから」。父親はかみしめるように話した。

 「いっぱい遊べて良かったね」。2時間後、集合場所で兄妹を迎えた母親は優しく声を掛けると、帰りのバス停へと歩き始めた。小さくなる兄妹の背中に手を振り続ける父親。かつての夫婦が言葉を交わすことはなかった。

 「父母同士の関係は難しくても、お互いに子どもを優先して、時間とお金をかけて面会交流を続けてくれる。きっと兄妹の成長のためになっているはず」。見守った女性スタッフは、祈るように話した。