全国唯一「駅での列車電流切り替え」見納め 黒磯駅 1月2日から新方式に

 鉄道の電化路線の直流、交流区間がまたがる区間で全国で唯一、列車をいったん停車させて乗務員らが電流を切り替える「地上式」を採用する那須塩原市本町のJR黒磯駅で、安全性などから来月から作業方式が変更される。長らく鉄道ファンから愛されてきた光景が見納めとなるだけに、工藤幸成(くどうこうせい)駅長(57)は「地上式の作業がなくなるのは寂しい気もするが、理解してもらえたら」と話している。

 東北本線は黒磯駅以南が直流、以北が交流区間で、両区間にまたがる路線は黒磯駅を含め全国に七つある。同駅は電化された1959年から「地上式」を導入し、全国最後の方式となっている。

 現在、旅客列車は黒磯駅で全て折り返すため、切り替えで停止するのは貨物列車のみ。切り替え時に乗務員も交代し、新たに乗り込む乗務員がホームや線路上から駅内の「信号扱い所」と連絡を取り合い、車両のパンタグラフを下げて架線から離す。架線に流す電流を変更し、車両側も対応できるよう回路を切り替えた上で、再びパンタグラフを上げて出発している。

 新たに導入されるのは、電気が流れない境界の区間を惰性で走行する間に、列車内で切り替えを行う「車上式」。メンテナンスの効率化が図れるほか、過去に地上式で作業中の感電事故があり安全性なども考慮し変更を決めたという。1月1日夜から切り替え工事を行い、翌2日朝から車上式に切り替わるという。