佐野出身の渡辺、空手の全日本初制覇 東京五輪も視野

 空手の全日本選手権が10日、東京都の日本武道館で行われ、佐野市出身の渡辺大輔(わたなべだいすけ)(28)=作新高出、日本空手松涛連盟=が男子個人組手で初優勝を飾った。大学時代から挑み続け、やっとつかんだ日本一。2020年東京五輪は追加種目として空手の採用も決まり、「まだやるべきことはたくさんある。もっと攻めを磨きたい」と未来を見据える。

 下馬評を覆した。選手権決勝の相手は昨年の世界選手権84キロ級で優勝し、この大会3連覇中の荒賀龍太郎(あらがりゅうたろう)(荒賀道場)。だが渡辺に焦りはなかった。「自分のやってきたことをやるだけ」と落ち着いていた。

 試合は渡辺が主導権を握る展開。序盤から連続攻撃を仕掛けるなど積極的な攻めで流れをつかんだ。得意な間合いでプレッシャーをかけ、カウンターから1ポイント先制。その後追いつかれたが、終盤は「返しが相手に当たってダメージになった。さらに相手の動きも止まった」と、すかさず上段突きを決めて再びリード。残り10秒で追いつかれて2−2の同点で終了したが、規定により先制した渡辺に軍配が上がった。

 「先取した後、守りに入ってしまった」という過去の反省を生かし、やや強引にでも攻め抜く自分のスタイルを貫いた。自信の根拠は、週6日行う1日最大5時間半にも及ぶ練習量。母校の帝京大で学生とともに汗を流した。

 作新高時代は、2007年夏の高校総体男子団体組手で県勢31年ぶりの3位。主将としてチームをけん引した。恩師・恒松強(つねまつつよし)監督には「絶対に負けないという気持ちが大切」だと教えてもらった。さらに、陸上トレーニングなど徹底した体づくりは「辛かったけど、それが大学でも土台となった」と振り返る。