ICAN・川崎さん「政府の態度、もっと議論を」 下野新聞インタビュー

 ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員、川崎哲(かわさきあきら)さん(49)は18日、宇都宮大での講演会に先立ち、同大で下野新聞社のインタビューに応じた。7月に国連で採択された核兵器禁止条約に、日本政府が参加しないのを批判し、「国民の間で政府の態度が大きな問題になっていない。唯一の被爆国として、もっと議論を起こさないといけない」と訴えた。

 力強いまなざし、意志の強さを感じさせる口調は、核兵器廃絶へ揺らぐことのない「確信」を感じさせた。

 川崎さんは条約の意義を「これまでは核兵器を持つことが大国のステータスだったが、核兵器は『悪』『汚らわしいもの』と大きく価値を転換することができた」と説明。平和賞受賞は「条約に意義があり、前に進めていくという政治的メッセージも込められている」と強調した。

 ICANが現在抱える最大の課題は「条約の批准国の拡大」。署名国は50カ国超だが、国内手続きを経て批准した国はまだ4カ国。「50カ国、100カ国は近い未来に間違いなく達成できる」と自信を見せた。

 一方、日本は現在、北朝鮮情勢などを背景に米国の「核の傘」を頼って条約に参加していない。「大変残念だ」と政府を批判し、「条約は北朝鮮の核問題解決に有効であり、妨害するものではない」と主張した。

 世界唯一の戦争被爆国、日本。にもかかわらず、政府を問題視する声が盛り上がらない国内の現状を憂慮し、「まだこの問題が知られていないと感じている」と悔しさをにじませた。

 「できるはずがない」「絶対無理だ」。条約採択に向け活動し続けてきた川崎さんに、かつては誰もがそう口をそろえたという。しかし、条約はできた。