ノーベル平和賞・ICAN川崎さん、宇大で講演 「核廃絶、世界で考える契機に」

 ノーベル平和賞を受賞した国際非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の国際運営委員を務める川崎哲(かわさきあきら)さん(49)が18日、宇都宮大で講演した。ノルウェー・オスロで行われた授賞式にも出席した川崎さんは「核兵器の脅威が高まる中、平和賞が世界中の人々に核廃絶を考えるきっかけを与えた」と力を込めた。

 講演のタイトルは「核兵器禁止条約と市民がつくる平和−その意義と課題を考える−」。ICANは被爆者と共に核兵器の「非人道性」を訴え続け、国連での核兵器禁止条約制定に「革新的努力」を尽くしたとしてノーベル賞委員会から評価された。

 会場は市民や同大生ら約200人が詰め掛け、高校生の姿もあった。10日の授賞式に出席し15日に帰国したばかりという川崎さんは受賞について「ここからがスタート。日本も含め条約への署名と批准を各国に促し、核廃絶の機運を高めたい」と意義を強調し「皆さんもSNSなどを通じてこの話題を広めてほしい」と呼び掛けた。

 授賞式で史上初めて被爆者が行った演説など、式の様子を写真で紹介。「核兵器は絶対悪」などと訴えた演説の原稿は川崎さんも共に作った。外では被爆者がパレードするなど会場内外が熱気に包まれたといい「市民社会のみんながそこにいた。日本政府だけがいなかった」と皮肉を込めた。

 核兵器禁止条約を巡っては核保有国と非保有国が対立。日本は唯一の被爆国だが米国の「核の傘」を頼り条約に参加していない。「圧倒的多数の国は条約にイエスと言った。日本政府は少数派で、皆さんはその国の国民だと知ってほしい」と厳しく批判した。