練習用エピペンで打ち方を練習する教職員ら=宇都宮市昭和小

 アナフィラキシー(急性アレルギー反応)時に使用するアドレナリン自己注射薬「エピペン」を所持する子どもたちが県内にも増えている。迅速な判断と行動が求められるだけに、教育現場で重要となるのが教職員の対応力。研修を行う学校や県教委の取り組みなどを取材した。

 「救急車は呼んだ?」「こう押さえると体が動かず、エピペンを打ちやすい」

 宇都宮市昭和小で今夏開かれたアレルギー対応研修には、同校の教職員と放課後児童クラブ(学童保育)の職員計15人が参加した。栃木医療センター小児科の石井(いしい)とも医師や小児アレルギーエデュケーターの指導の下、練習用エピペンを使ったシミュレーションなどで緊急時の対応法を再確認した。

 同校にはエピペンを所持する児童が6人いる。数年前には、特定の食べ物と運動で発症する「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を起こした児童が校内でエピペンを使用したことがあるという。

 どの教職員も緊急時に対応できるように毎年研修を実施。年度初めにはエピペンなどを所持する児童について全職員が情報共有するとともに、新任者らに養護教諭らがエピペンの使い方を指導している。

 浪花寛(なにわひろし)校長は「食物アレルギーで細かい配慮が必要な児童が増えている。できるだけ寄り添い、学校一丸となって取り組まなければならない」と力を込める。

 県教委も毎年、アレルギーに関する研修会を開催。2016年に発行した「県学校におけるアレルギー疾患対応マニュアル」にはアレルギーの症状や原因、学校生活上の留意点などを主治医が記入する「学校生活管理指導表」を添付した。多くの学校では、児童生徒にアレルギー症状が見られた場合、指導表を基に教職員らが対応している。

 石井医師は、“もしも”の時に備えて「どの教職員が第1発見者になるか分からない。いざという時に動けるよう、知識と対応法を身に付けて」と訴える。人事異動などもあるため、年度初めには改めて情報共有することも必要。「対応システムの整備と毎年の見直しをしなければならない」

 学校だけでなく、放課後に児童が過ごす学童保育での対応も重要。職員が少ない一方で児童が多いため、目が行き届きにくい。アレルギーのある児童を受け入れない施設やおやつを親が用意する施設もあるのが現状だが、石井医師は「学校のアレルギー対応研修時には、学童保育の職員にも声掛けをしてもらいたい」と話している。