「息子の生きた証しに」 救急車配備に3000万円寄付 壬生の夫妻、保険金を地区消防へ

 【壬生】安塚、無職水口勝弘(みずぐちかつひろ)さん(72)、国子(くにこ)さん(72)夫妻が、救急車の購入費用として現金3千万円を石橋地区消防組合消防本部に寄付した。一昨年夏に亡くなった一人息子の生命保険金から「社会のために」と託した。15日午前10時から、壬生消防署で2人も出席して受納式が行われる。

 水口さん夫妻は九州出身。勝弘さんは1964年に日産自動車追浜工場(神奈川県横須賀市)に就職、70年に栃木工場へ転勤となり、栃木県民となった。国子さんも同工場に勤務。長男英樹(ひでき)さんも高校卒業後、同工場に勤めていた。

 2015年8月30日早朝、英樹さんは自宅2階の部屋で倒れているのを発見され、救急車で病院に運ばれたが助からなかった。40歳だった。「22年間無遅刻無欠勤。病気にもかからなかったのになぜ…。突然死でしょうね」と国子さん。

 車好きで休日は、愛車のフェアレディZ34型モデルを磨いていた英樹さん。ナンバーは型式から「34」だった。自宅ガレージに1年間置いていたが「車好きの人に乗り継いでもらえれば」と手放したという。

 保険金で「何か形に残したい」と思っていた時、元横綱大鵬が血液運搬車寄贈を続けていたというテレビ番組を見た国子さんが、救急車寄贈を思い立った。