古典落語の登場人物と言うと、「熊五郎」に「八五郎」がよく知られている。乱暴者の熊さんに、おっちょこちょいの八つぁんの掛け合いで名高い演目が「粗忽(そこつ)長屋」。名は体を表す、とはよく言ったものだ▼明治安田生命が恒例の「名前ランキング」を発表した。平成最後となることから、この30年間の順位も分析。男の子の名前は「翔太」「翔」「健太」、女の子は「美咲」「葵」「陽菜」がベスト3という▼わが男児には「大空に羽ばたき健やかに」、女児には「美しく素直に」との願いを込めた親の心情がうかがえる。名は体を表すよう、どの子も元気に育っていってほしい▼人名つながりで言えば、本県の名字について研究した「栃木で名字の地を探してみた」が興味深い。元宇都宮市職員の大金土之彦(おおがねとしひこ)さんがこの春刊行した著書には、本県生まれの名字500が網羅されている▼栃木が全国最多という名字に篠崎、直井、黒子、金敷があるそうだ。ただ発祥地はいずれも茨城県。珍名では鯨がある。海なし県にもかかわらず栃木がトップで次いで和歌山、茨城と続く。日光市などにゆかりの地名があるそうだ。よく聞く名前に福田があるが、これも本県が最多という▼寄る年波に勝てず近頃、人の名前がとっさに出てこない。名前のいわれを学べば、少しはましになるだろうか。