同時代に活躍・交流の2作家比較 鹿沼で「武井武雄と川上澄生」展

 【鹿沼】版画家川上澄生(かわかみすみお)と同時代に活躍し、交友関係のあった童画家武井武雄(たけいたけお)の版画作品などを展示する企画展「武井武雄と川上澄生 コドモとオトナのあいだに」が川上澄生美術館で開かれている。同館の原田敏行(はらだとしゆき)学芸員(36)は「版画作品を中心に展示しており、2人の比較を楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。12月10日まで。

 武井は長野県出身で、主に大正時代から昭和にかけて児童雑誌などで活躍。子どもの心に触れる絵を「童画」と名付けたことでも知られる。1935年、武井が主宰する年賀状交換会「版交(はんこう)の会」で川上と知り合い、互いの作品を交換するなどの交流を図っていた。

 武井による木版画や銅版画などの作品35点と川上の木版画作品37点、児童雑誌などの資料25点を展示。(1)戦前(2)戦後(3)小品や刊本作品−の3章に分け、同時代の武井と川上の作品が見比べられるようになっている。

 63年に武井が制作した木版画「夢を造る工場」(縦31センチ、横46・5センチ)は木版画ならではの色と色の重なりがモチーフを立体的に見せている。50年代から日本の木版画のサイズが大きくなり、欧米の影響を受けて抽象画が多く制作された時代の流れを受けているという。

 また、同展のコラボ企画として、市図書館本館で武井の関連図書を集めた特別展示も実施する(20日~11月15日)。