キクラゲ作りによる活用が中止となった旧野上小

 【佐野】廃校になった長谷場町の旧野上小を民間会社がキクラゲ作りの工場として再活用する計画が中止になったことが30日、市議会議員全員協議会で明らかになった。国の地方創生推進交付金の活用方法などについて市と会社の間に認識の違いがあり、11月に基本協定が解除された。

 計画によると、農産物の生産加工販売などを手掛ける「プレスト」(東京都港区)が、同校の旧校舎などで無農薬のキクラゲを生産。国内最大級の年間100トンの収穫を目指していた。また、住民の交流スペースの設置も予定された。

 市と同社は2018年5月、「定期建物賃貸借契約締結へ向けた基本協定」を締結した。しかし、同交付金を人件費を含む販売管理費に充てたいとする同社と、これを認められないとする市の間で協議が難航。同社からは耐震工事の進ちょくスピードに対する不満も出された。市は11月6日、同社から提出された基本協定解除通知書を受理した。

 計画中止に伴い、市は施設整備や旧校舎の耐震補強工事のための国庫補助金、約5900万円を減額する補正予算案を12月議会に提出する。

 市は「企画としては申し分なかったが、資金計画などの甘さがあった」と話す。同社の担当者は「大変残念。市との協議が最初からすれ違い、補助金の問題などが解決できなかった」と話した。

 雇用や交流拠点による地域の活性化に期待していた同地区の住民グループ「野上を考える会」の横塚洋一(よこづかよういち)会長(77)は「夢を膨らませていただけに、くじかれてしまった」と肩を落とした。今後は、別の場所に拠点を構え、村おこしを考えていくという。