(株)TKC 代表取締役社長 角 一幸氏

「顧客への貢献」のために

 定款に定める「会計事務所とその関与先企業、市町村への支援活動」という事業目的の2本柱は、揺るがない基本だ。

 金融庁は金融行政方針で、金融機関には事業性評価への対応とともにこれまで以上に税理士等の中小企業支援機関との連携が必要だと述べている。これにより税理士の役割も変化する。「事業性評価に必要になる経営計画を作成する仕組みを新たに提供するとともに、企業と金融機関の関係強化のため、決算書などのデータを金融機関へ送信するフインテックサービスの利用を促進する。企業経営を支援しながら、税理士の社会的役割を強化することにつなげる」

 一方、市町村に対する事業では、マイナンバーを活用することで今まで以上に住民福祉の増進と行政効率の向上に貢献できると分析。市町村の窓口で、介護や福祉、子育てなど、複数分野にまたがる「包括的な相談支援」を受けられるシステムを提供する。「行政は縦割りになりがち。そこに横串を差すことで、国の目指す新しい住民サービスを提供することが可能になります」と語る。

 4月には鹿沼市に建設中のカスタマーサポートセンターが完成し、電話でのユーザーサポートを始める。従業員300人体制で全国のTKC会員並びにその顧客からの問い合わせへダイレクトに対応する。「地味だが極めて重要」と力を込める。

 さらに、今年は創業者の飯塚毅博士の生誕100周年に当たる。飯塚博士の著した多くの論文や書籍をまとめて出版することも予定している。これを飯塚博士が実務家として目指したものや当社の創業の理念を再確認する機会にしたいとする。

 「TKCではお客様の事業の成功条件を探求し、これを強化するシステムを開発し、その導入支援に全力を尽くすことが『顧客への貢献』と定義しています。そのために常に高付加価値なサービスを目指しイノベーションにチャレンジしてきました。これからも変わらない姿勢です」