小学生が公衆電話に10円玉を入れる。受話器を外さないままだから、お金が戻ってくる。子どもは「壊れてるよ」と言う。そんな“実験”の場面をテレビ番組などで何度か見た。「今どきの子は公衆電話の使い方を知らない」というネタだ▼確かに、最後に公衆電話を使ったのはいつだったろう。携帯電話の普及で街から消え、ピーク時の1984年度に全国で約93万台あったが、2017年度は約16万台に激減している▼NTT東日本の調査では、公衆電話を使ったことがない小学生は実に84%に上るという。同社はとうとう使い方を記したシールを公衆電話に貼るようになった。イラストと共に「受話器を取る」「お金を入れる」「電話番号を押して通話する」と丁寧に記し、英文も添えてある▼災害時や非常時には頼もしい存在になる。災害で通信が規制されても優先的につながり、停電の影響も受けにくい。阪神大震災や東日本大震災では大切さが再認識された▼16年3月には約2年間、監禁状態にあった誘拐事件の被害者の少女が脱出後、東京都内の駅の公衆電話を使って110番し、注目された▼警察への110番や消防への119番は以前は赤いボタンを押して使ったが、最近のタイプはそのままかけられる。子どもたちにこうした知識を授けておくことは大人の責任だろう。