脳死下右左反転肺移植のイメージ

千田雅之教授

脳死下右左反転肺移植のイメージ 千田雅之教授

 栃木県内初の脳死肺移植から10年目を迎えた獨協医大病院。今春、ドナーから提供された右肺を左肺に移植する脳死下右左反転肺移植に国内で初めて成功した。昨年には国内2例目となる脳死下左右反転肺移植を行っており、両肺での反転肺移植を成功させたことになる。ドナーの少ない国内で待機する患者にとって、移植のチャンスを広げる可能性のある朗報といえそうだ。

 現在、国内の肺移植実施施設は9カ所。2005年に認定された同病院は09年1月以降、脳死肺移植を13例、生体肺移植を3例実施してきた。脳死と生体を合わせた肺移植の5年生存率は87%で国内平均の75%を上回り、脳死肺移植のみでは100%を誇る。

 脳死下右左反転肺移植は今年3月、同大呼吸器外科学の千田雅之(ちだまさゆき)教授らの執刀で行われた。くも膜下出血で脳死となった50代男性のドナーから提供された右肺が、特発性間質性肺炎の50代男性患者の左肺に移植された。男性患者は右肺より左肺の方が重症だったが、左肺に限定すると待機時間が長引くため、日本臓器移植ネットワークに左右を限定せず登録していたという。