ふと、初めてゴルフ練習場に行ったときのことが頭をよぎった。止まっているボール、打てないはずがない。思い切り振った結果は腰砕け、という苦い思い出だ。だが、順応性の高い子どもたちにはそんな心配は無用だった▼同じティーでも、こちらは野球ボールをバットで打つティーボール。幼稚園児と小学生を対象に、宇都宮市野球協会と県高校野球連盟が先日、同市の清原球場で初めて開いた体験イベントに足を運んだ▼ティーボールは国際野球連盟などが30年前に考案したといわれる。ティーの上のボールを打つことからゲームが始まるので投手はいない。そこが野球と大きく異なる点である▼今回、児童や園児を対象にした催しが企画されたのは、子どもたちの野球離れが背景にある。手軽なゲームで幼少期から野球の楽しみを知ってほしいと、関係団体が足並みをそろえた▼「かつては公園で野球を楽しむ子どもたちの姿をよく見かけたが、最近は危ないからとバットを振り回すこともできなくなった」。県高野連の担当者は危機感をあらわにする。確かに、公園で今見かけるのは、ゲームに興じる姿ばかりである▼催しの日、球場に集まった子どもたちは目標を大幅に上回る170人余り。思い切り打って、走って。機会と場所さえ整えば、今も昔も子どもは風の子である。