日産自動車栃木工場の正面玄関。同工場にゴーン容疑者が訪れたこともある=19日午後7時35分、上三川町上蒲生

2013年5月に日産自動車栃木工場を訪れた際、報道陣の質問に答えるゴーン容疑者=上三川町

日産自動車栃木工場の正面玄関。同工場にゴーン容疑者が訪れたこともある=19日午後7時35分、上三川町上蒲生 2013年5月に日産自動車栃木工場を訪れた際、報道陣の質問に答えるゴーン容疑者=上三川町

 日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)らが金融商品取引法違反の疑いで逮捕された19日、上三川町上蒲生の日産栃木工場の従業員や県内の取引先の間には驚きや動揺が広がった。昨年以降、新車の無資格検査などの問題が相次いで発覚し、全社的にコンプライアンス(法令順守)の徹底が進められてきた中でのトップの逮捕。従業員からは「これからどうなるのか」と戸惑いや不安、怒りの声が上がった。

 「びっくりした。全く理解できない」。同日夕方、栃木工場の男性社員(57)は帰途に就いた直後の突然の一報に、驚きを隠しきれなかった。無資格検査などの問題も踏まえ「これからの会社がどうなるのか。かなり不安だ」と声を落とした。

 ゴーン容疑者は栃木工場の生産の節目などに何度も来県していた。2013年には輸出向け高級車の量産開始に合わせて工場を訪れ、従業員をねぎらった。

 当時の様子を覚えているという20代の女性従業員も「今度は会長の不正が発覚するなんて」と絶句する。

信頼回復に向け社員教育が徹底して進められてきただけに「名誉挽回していこうという矢先。正直いい迷惑」と語気を強めた。

 会社の資金の私的流用も問題として浮上している。栃木工場の男性社員(29)は「社員としてモチベーションが下がる。何に使ったのか、きちんと説明してほしい」と訴えた。

 日産と取引する県内企業からは、消費者離れを懸念する声も上がる。自動車販売会社の経営者男性は「ユーザーは既に、(日産に)イエローカードを出している。不祥事が続くようなら、レッドカードが出されてしまうだろう」と警鐘を鳴らす。

 別の企業幹部は「一時的な株価の急落はあるだろうが、車の品質が下がるわけではない」と話す一方、「絶対的にコンプライアンスが求められる時代。信頼は失墜するだろう」と指摘した。冷静に受け止める声もあり、県央の自動車販売関連の男性社長(56)は「経営者個人の問題なので、それほど影響はないのではないか」と話した。