韓流ドラマやK-POPが、海外で人気を集める韓国。表現の自由が保障されているように見えるが、最近も「権利のための闘争」は続いている。1980年代、民主化が実現したものの、2008年に発足した李明博(イ・ミョンバク)政権と、続く朴槿恵(パク・クネ)政権は言論統制を強めた▼特に公共放送KBSと、民放ながら政府出資の財団が株の大半を所有するMBCに圧力がかかり、独立性を堅持しようとする社長は更迭された。新経営陣に反発してストライキを始めた労働組合員は、次々に解雇や懲戒処分に遭う▼その一人で、MBCの調査報道番組のプロデューサーだった崔承浩(チェ・スンホ)氏は、非営利のインターネットメディアに参加。KBSやMBCを“御用メディア”におとしめた局幹部らの責任を追及し、ドキュメンタリー映画「共犯者たち」を作った▼日本でも12月公開の作品の中で、監督の崔氏は元上司、さらには李氏にマイクを突き付ける。映画の終わりに、懲戒された約300人の名前が延々と続くのが印象的だ▼文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任すると、放送局でも大逆転劇が起きる。昨年12月、崔氏が古巣MBCの社長に選ばれた▼そんな韓国は「国境なき記者団」が集計した今年の報道の自由度ランキングで、昨年より大きく上昇して世界43位になった。一方、日本は67位。日本のメディアが問われている。