幹線道路沿いに立つ処分場反対ののぼり旗=27日午後、塩谷町上平

 県内で揺れ続ける放射性物質を含む指定廃棄物の処分場候補地問題。候補地を抱える塩谷町内にとどまらず県民有権者の大きな関心を集め、10日公示-22日投開票の衆院選でも投票先を決める争点の一つになるとみられる。同町内を歩くと、環境省による働き掛けが一時沈静化している中で住民は静かに動向を見守る一方、与野党双方に不満を募らせていた。

 「町内で動きがなく、選挙に対する町民の熱量が落ちている印象は否めない」。候補地と同じ同町上寺島に住む飲食店経営水野雅章(みずのまさあき)さん(67)は投票率の低下を危ぶむ。

 環境省は7月、指定廃棄物を一時保管し続ける農家の負担軽減のため、農家のいる県内6市町に保管場所の集約などを提案した。県内1カ所の処分場整備方針は堅持する一方、処分場整備には相当の期間が見込まれると説明。塩谷町に対する動きは実質的に保留状態となっている。

 行方の見えない状況を反映するかのように、町内各地の交差点や幹線道路沿いに住民が設置した反対運動ののぼり旗の中には、傷んだままのものも見受けられる。

 同町内の小売店経営男性(36)は町を含む栃木2区に出馬予定の与野党現職2氏について「2人とも候補地の白紙撤回を主張するが、現時点でそれが実現するようには見えない」と指摘。「反対姿勢は選挙目的ではないのか。(そう思うほど政治への)不信感が根底にある」と明かす。一方で「町内を候補地に選んだのは自民党政権。問題のスタートを町民の多くは忘れていないのではないか」と推し量った。