【那須】「先祖を助けてくれた神社に恩返ししたい」と、那須塩原市大黒町の無職渡部健助さん(78)はこのほど、高久甲の高久神社に拝殿幕を寄贈した。新装された幕は縦1・5メートル、横9メートルで、左三つどもえの紋がある。従来の幕は、同神社が合祀により建立された1915(大正4)年から使われており、全体が黒ずみ傷みも激しかった。26日の秋季大祭で披露される。
渡部さんによると、渡部さんの祖父らは明治時代中期、仕事探しのため福島・会津地方から上京。だが当時、戊辰戦争の影響で会津出身者は「賊軍」扱いされ職に就けなかった。失意の帰郷途中、衣食に困っていたところ、同神社宮司らの温かいもてなしを受けそのまま土着したという。
また、昨年5月に亡くなった妻の純子さんは同神社宮司家の出身。亡くなる直前に、同神社で桜の花見という思い出づくりもできたという。
渡部さんは「私たちが幸せに暮らして来られたのは神社や地元の人たちのおかげ。これからも地域の皆さんに神社を守っていただきたい」と述べた。
同神社宮司の清水寛治さん(59)は「幕は傷みが激しかったが、資金的な事情もあり新装できなかった。氏子の皆さんにも喜んでもらえると思う」と話していた。