4人の作家による木を素材とした作品が並ぶ

 木を素材にした作品を紹介する企画展「木々の生命(いのち)」が那珂川町のもうひとつの美術館で開かれている。宇都宮市内で制作を続けた彫刻家の故丑久保健一(うしくぼけんいち)さん(1947~2002年)、奈良県在住の彫刻家安藤栄作(あんどうえいさく)さん(1961年~)、山形県在住の武田拓(たけだひらく)さん(88年~)、宮城県在住の松浦繁(まつうらしげる)さん(71年~)の彫刻など約70点を展示。個性あふれる4人の作品からは、生命のエネルギーを感じることができる。

 木造校舎を再利用している同館。梶原紀子(かじはらのりこ)館長は「床も天井も木の空間の中で、木の作品がどう見えるのかやってみたかった」と展示の狙いを説明する。

 木肌に荒々しいおのの跡が見えるものは安藤さんの作品。福島県いわき市で創作していたが、東日本大震災で被災し奈良県に移住した。指先がつながった両手や翼の形など具象抽象にとらわれないダイナミックな作品が並ぶ。梶原館長は「力強いだけでなく繊細な部分もある。自然に対する畏敬の念、木に対する尊敬の念がある」と話す。

 丑久保さんの作品は、少しつぶれたボールの形をケヤキで表現した代表作「1・0・∞のボール」や、ドローイングなどを展示。丑久保さんは特にケヤキを多く用いて制作したといい、「硬くて重くて扱いにくいケヤキをあえて選んでいるのはゆっくり作っていく行為が楽しかったのでは」と梶原館長。

 松浦さんは右半身が不自由なため左手でのこぎりを使って創作。松浦さんの独自の感覚による形はとても自由でトロフィーの形に見える「栄光」などタイトルも面白みがある。

 武田さんの作品は割り箸を無数に組み合わせることで、まるで生き物のような形が出現している。