「鹿沼組子による耐力壁」を前にする課題研究班のメンバー

 【下野】宇都宮工業高生が制作した「鹿沼組子による耐力壁」が駅東1丁目で建築中の民家に設置され28日、お披露目された。同校建築デザイン科の課題研究班(12人)が7月から約40日かけて制作。指導に当たった五十嵐忠彦(いがらしただひこ)教諭(55)は「高校生が作った耐力壁が一般民家に設置されるのは全国でも例がないのでは」と話している。

 くぎを使わない鹿沼組子。日光東照宮造営の際に全国から集まった職人が技術を伝え、日光杉を使って作られたものが起源とされる。木曽檜、秋田杉、日光杉などを小割にした材料を幾何学模様(きかがくもよう)に組み付けるのが大きな特徴だ。書院障子や欄間などの飾りに多用されている。

 今回は長年、鹿沼組子を研究している五十嵐教諭と沼尾宇弘(ぬまおたかひろ)講師(25)が「県の伝統工芸である鹿沼組子の持つ美しさと強度を、木造住宅の耐力壁として使えないか」と提案したのがきっかけ。この研究は文部科学省のスーパープロフェッショナルハイスクール(SPH)事業の指定を3年前から受けている。

 生徒たちが制作した高さ1920ミリ、幅800ミリ、奥行き90ミリの杉材の「鹿沼組子による耐力壁」。今回は同教諭の教え子である添野工務店(仁良川)社長の阿部聡(あべさとし)さん(32)が間に入り、建設中の民家に生徒たちの作品が設置されることになった。ただ今回は「耐力壁を外しても耐えられる設計にしてある」(阿部社長)という。