織りの作業に向け茶綿の糸を使って縦糸をそろえる日下田さん=益子町城内坂

 伝統文化に貢献した個人や団体に贈られる第37回伝統文化ポーラ賞(ポーラ伝統文化振興財団主催)の地域賞に益子町在住の染織家日下田正(ひげたただし)さんが選ばれた。茶綿を用いた伝統染織の制作、伝承の取り組みが評価された。日下田さんは「織物の先達たちが受賞しているのでそのうちの一人になるのはとても名誉なことと思う」と話している。

 同賞は伝統工芸や伝統芸能など優れた日本の伝統文化を普及、振興し次世代へつないでいく狙い。全国の有識者やこれまでの受賞者の推薦を受けて選考が行われ、今回は優秀賞2件、奨励賞1件、地域賞5件の計8件が選ばれた。

 江戸時代から続く日下田紺屋9代目の日下田さんは織りに力を注いできた。今回評価された茶綿は40年ほど前から取り組み始めた。当時、益子町内や近隣ではすでに茶綿の種は途絶えていたため、鳥取県から種を取り寄せ畑で栽培するところから始めた。

 当初は土が合わずに苦労したが徐々に収穫があがるようになった。毎年春に種をまき秋に収穫、3年ほど寝かせて酸化させ色を濃くした後、手で紡いで糸にし、布を織る。益子の風土が育てた綿花で染織の仕事を長年続けている。