菅家利和さん(64)が再審無罪となった足利事件を検証した下野新聞社刊行の単行本「冤罪足利事件 『らせんの真実』を追った四〇〇日」が、長崎県の点字翻訳ボランティアによって点訳され、インターネットの視覚障害者向け書誌データベース(DB)上で全国に公開されている。DBには点訳書籍約10万点が公開されているが、足利事件関連の著作物の点訳はほとんどない。菅家さんは「ありがたい。多くの人に冤罪事件のひどさを知ってもらいたい」と歓迎している。
単行本は四六判、450ページ(1785円)。誤判原因の解明などを目的に本紙で長期連載した記事を中心に、一審から再審までの判決要旨や最高検、警察庁の検証結果などの資料も網羅している。
点訳は長崎市大浜町のボランティア井土敏さん(82)が手掛けた。「冤罪のひどさと菅家さんの後遺症の大きさを『らせんの真実』から知り、多くの人に読んでもらおうと思った」とし、校正も含め4月から7月末まで約3カ月がかりで仕上げた。
65歳から点訳を始め、すでに訳した作品は100点を超えるベテラン。それでも「裁判などの法律用語が多く、読み方を確認しながらの作業が大変だった」と振り返る。点訳はB5判で千ページ、全7巻に上ったという。
点訳は長崎県視覚障害者情報センターを通じ、社会福祉法人「日本点字図書館」が管理するネット上の書誌DB「サピエ図書館」に登録されている。同図書館の会員になれば無料でデータをダウンロードできる。
専用ソフトがあれば、データから音声の読み上げもできる。各都道府県の視覚障害者情報センターで点字本を借りることもできる。
「サピエ図書館」にに関する問い合わせはとちぎ視聴覚障害者情報センター、電話028・621・6208。