自治体の生き残りの鍵を握る進出企業の誘致・定着策。県外の自治体トップや有識者に、企業立地の意義、本県にふさわしい立地戦略を聞いた。

 ■  ■

 国の工場立地動向調査の県外企業立地件数で、茨城県は5年連続全国1位を誇る。税減免などの優遇措置、企業情報を共有できる庁内態勢を整え、産業大県づくりを進める。

 -企業誘致の考え方を。

 「元気な地域を作るには、雇用の場を確保することが必要。一方で、企業にとっても世界的な競争を勝ち抜ける環境が必要。この二つは同じ方向を向いている。企業によって期待する地域の条件は違うが、できるだけ企業が満足する状況を提供していく。関東圏が世界標準、グロバール競争に勝てる環境をつくらないと、日本の産業は駄目になる」

 -誘致部署を知事直轄とする狙いは。

 「以前は例えば、コマツは港湾課、鹿島(の工業地帯)は企画部とバラバラに動いていた。企業に適地を紹介する際、共通の発想が必要だ。2006年度に知事の下に立地推進室を設け、情報をまとめた。それなりに効果は出ている」

 -茨城県の優位性は何か。

 「いくらトップセールスをしても、条件が悪ければ企業は来ない。本県の場合、高速道、港湾、飛行場と急速にインフラが整備された。さらに、科学技術・研究施設が集積するつくば市、世界最高クラスの技術を備えた実験施設『J-PARC』を持つ東海村があり、企業が一緒に研究できるメリットがある」

 -栃木県の立地性をどう見るか。

 「北関東自動車道の開通によって、栃木県は直轄事業負担金などを出さずに、港を持ったようなもの。ものすごく得だと思う。真岡なら40分で茨城港に着くほど近い。石油化学など臨海型の工業団地は無理だが、輸出用機械や電機産業はいくらでもできるだろう」

 -北関東3県の連携の考えは。

 「下手をすると競争になるが、本県には港がある。栃木県には、一銭も出さずに港があるという前向きな考えで使ってもらうのがいい。科学技術という点でも、栃木県の企業がつくばやJ-PARCと十分連携できるのではないか」