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<緊急連載 乱>(下)選挙 水面下で「刺客」の動き 渡辺氏めぐり思惑交錯(2009年1月17日 05:00)
「組織政党として(選挙区に)穴が開けば埋めなくてはならない。だが、あなたの言うことも一理ある。もう少し様子を見よう」 渡辺喜美元行政改革担当相の自民離党から二日後の十五日午後。同党の古賀誠選対委員長が国会内で、県連会長代行の船田元衆院議員に告げた。 この二日前、古賀氏は渡辺氏の選挙区の衆院栃木3区について「いい人はいるのか」と問いかけていた。 船田氏は「地元は大変つらい。(刺客は)出てほしくないのが率直な気持ち」と答えた。 渡辺氏の父の故美智雄氏以来の支持者は1区や2区にもおり、渡辺氏との全面対決となれば、ほかの選挙区で逆風が吹きかねないとの懸念もあった。 地元の県議たちも思いは同じ。しかし「あれだけ党批判をされて、出さないはずがない」と考える県連関係者は少なくない。 ▽公明へ配慮 離党三日前の十日。 公明党県本部が宇都宮市で開いた「新春政経文化懇話会」に渡辺氏の姿はなかった。本県選出の自民党衆院議員らが出席する中、公明党の太田昭宏代表は次期衆院選に向け、結束を呼び掛けた。 ただ渡辺氏はこの数時間前、公明党県本部幹部に電話を入れ、欠席を伝えた後、「定額給付金に頭から反対ではなく、一律給付に問題があると感じるだけだ」などと話したという。 関係者によると、3区での公明票は約二万五千ともされる。二〇〇五年九月の前回衆院選で、渡辺氏は九万八千票を獲得し、四選を果たしたが、公明党の全面支援も得ていた。 同党県本部は現時点で、渡辺氏への対応を決めていない。渡辺氏の言動からは、次期衆院選への危機感も透けて見える。 ▽先見通せず 3区の公認候補が決まっていない民主党の山岡賢次国対委員長は、渡辺氏離党を受け「(3区に)候補者は立てない」と明言した。同党からは衆院解散後の連携を期待する声も出ている。 こうした中、民主党公認で立候補を目指す蓮実進元衆院議員は再考を迫られている。 後援会幹部は「(蓮実氏の)自民復党も、自民の刺客候補の支援もない」と話すが、当面は状況を見守らざるを得ない状況だ。 渡辺氏の「乱」で、3区は先が見通せない状況になっている。自民県連幹部の一人は「渡辺氏は強いだろうが、自民が刺客候補を立てなければ実質無風、立てれば混乱だ」と予測する。 [写真説明]「自民党渡辺喜美」のポスターが張られていた掲示板。離党で「政界再編」のスローガンに張り替えられた=大田原市
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