野菜の食感を楽しみ、野菜の旨みに満足できる「野菜のキッシュ」(手前)。クセになるおいしさだ

 ユニオン通り沿いに掛かる小さな看板。6月半ば、駅東から移転したばかりのフレンチの名店だ。

 オーナーシェフ大野貴史(おおのたかし)さん(40)が「もう10年ほど作っているので、なじみの方も多いかもしれませんね」と、提供してくれたのは「野菜のキッシュ」(税込み980円)。

 あふれんばかりのブロッコリーに目を奪われつつ、パルミジャーノ・レッジャーノの“ふた”にナイフを入れる。顔を出した野菜たちはキッシュなのにジューシーな表情で、思わずつばをのんだ。

 玉ネギ、パプリカなどの甘みとチーズのこくに、ピーマンのかすかな苦みが絡み合う。タルトの生地は食べ応え十分で、もはやメインディッシュの域といえそう。

 「白ワインと合わせる女性が多いですよ」と大野さん。しかし、下戸記者は迷わずフランス産の「オジェ(炭酸水)」(同360円)をオーダー。ごめんなさい。

 そして、大野さんが得意とする肉料理「牛ハラミ肉のステーキ」(同1660円)もいただく。レアで仕上げた肉のおいしさをさらに引き立てるのは、2種類のワインとフォン・ド・ヴォーのソース。この日は「ドフィノワ」と呼ばれるジャガイモのグラタンなども添えてあり、さらにぜいたくな気分も味わえた。

 店名は、新たな挑戦に臨む大野さんが「すてきな生活」などの意味のフランス語から取った造語。その扉を開けば、舌も心も満たされる味が待っていますよ。


メモ 宇都宮市伝馬町2の22▽営業時間 午前11時30分~午後2時、同6時~10時▽定休日 火曜▽(問)028・638・3224