福祉やまちづくり、子どもの健全育成…。さまざまな分野で活動するNPO法人は、今の世には欠かすことができない存在だ。本県でもその数は年々増え、3月末現在で649団体を数える▼事業内容は多種多様だが、共通するのは慢性的な資金不足である。県内最大手のとちぎコープ生活協同組合が資金繰りに悩むNPO法人を支援しようと、社会貢献活動の一環として始めた助成金制度が発足してちょうど10年目。本年度は総額500万円を37団体に交付した▼日光市を拠点に児童虐待防止に関わる活動に取り組む「だいじょうぶ」もその一つ。理事長の畠山由美(はたけやまゆみ)さん(57)は「使途を限定しない助成金は本当に助かります」。これまでも何度か受け取り、トイレの改修などに役立てている▼貧困に苦しみ、虐待を受ける子どもたちを救い出す。そのための相談業務や子どもの居場所などの活動を支えるスタッフの人件費は行政の補助で賄っているが、後は寄付だけが頼みの綱。ぎりぎりの運営が続く▼景気回復はどこの話。畠山さんの実感では、底辺の人たちの暮らしは少しもよくなっていないという。全ての子どもたちは普通の生活を送る権利があるのにほど遠い現実が横たわる▼とちぎコープはこの制度を長く続ける考えと聞く。こうした善意が多くの企業に広がらないものか。