始まりは、慶長13(1608)年にさかのぼる。この年、鹿沼宿は日照りが続き、大干ばつに襲われた。住民が今宮神社に集まり、雨乞いを三日三晩続けると、激しい雷雨があったという。この霊験を敬う祭りが、鹿沼秋まつりの起源と伝わる▼それから400年余り。「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」がユネスコ無形文化資産に登録後初となる祭りが、きょう7日に開幕する▼昨年ユネスコに登録された全国各地の「山・鉾(ほこ)・屋台行事」と同様、祭りを維持するための支援の広がりや集客を期待する声がある中で、「“世界の宝”の誇りこそが、最大の効果」と事務局担当者は話す▼市民の誇りとして忘れてならないのは、「動く陽明門」とも称される各町の彫刻屋台である。今夕には、豪壮さと緻密さを兼ね備えた26台が神社から一斉に繰り出す。例年にない規模であり、間近でその迫力を感じ取りたい▼あす8日は、見物客が「まつり人」に扮(ふん)して屋台揃(そろ)い曳(び)きを体験するイベントも行われる。ユネスコ元年を記念した初の試みだ。祭りは見るだけでなく体験してこそ楽しい。ふるさと納税の返礼品メニューにも加えられ、外国人誘客を含めた観光面でも期待は高まる▼気になるのは、期間中の天気である。雨乞いを起源とした祭ではあるが、屋台行事はやはり秋晴れがふさわしい。