「こころの声をメールで伝えて」と、高校生に訴え掛ける名刺大のカード。自殺予防週間があった先月、社会福祉法人の栃木いのちの電話が、インターネット相談を知ってもらおうと、5万5千人に上る県内の生徒全員に配った▼製作費用は、県共同募金会が昨年度初めて実施した赤い羽根共同募金の「おうえんプロジェクト」に寄せられた県民の浄財である。本年度、70周年の節目を迎えた共同募金。今月から来年3月まで、県内全域で行われている▼米国の制度をモデルに、日本で共同募金が始まったのは1947年。敗戦直後で、浄財は戦災孤児らの救済などに使われた。最近では就労やDV被害者支援活動などにも活用され、「時代とともに福祉のニーズは多様化している」と担当者▼この70年間に寄せられた県民の善意は170億円に及ぶ。ただ、1995年度の4億5千万円をピークに年々減少傾向にある現状も見逃せない▼こんな中、県共同募金会は一般募金に合わせて、寄付者が支援先を選ぶ「おうえんプロジェクト」も始めた。初年度は栃木いのちの電話を含め8団体の取り組みが対象となった▼〽困ったときにはお互いさまよ、とニッコリ笑う人がいる…。共同募金70年を記念し制作された「おたがいさまの歌」である。時代は変わってもこの精神だけは忘れたくない。