約20坪の店内に30ほどの席。メニューはうどんや丼物のほか、野菜の煮物などの田舎料理が中心で、観光途中のドライバーや大型バスの団体客でにぎわった▼旧足尾町(日光市)の国道122号沿いに1980年オープンした「農協食堂 おふくろ」。県のむらづくり事業の一環で各地域に誕生している農村レストランの、県内1号店である▼残念ながらこの店は2004年に閉店してしまったが、農家の主婦らが運営するそば店をはじめ郷土料理やスイーツなどを提供する店も相次いで現れた。今では計73店が地域で育まれてきた食文化を発信する▼各店の取り組みを知ってもらおうと、県農村振興課が道の駅などで無料配布している「きらりと光るとちぎの農村レストランガイド」が人気だ。A4判40ページの冊子には、各店のメニューのほか周辺の観光情報や生産者の思いなどが盛り込まれる▼読み進めると、当初はドライブイン的な発想で運営されていた農村レストランが、店そのものを観光目的に訪れても十分楽しめるようになったことがわかる▼県内では来年度、JRグループの大型観光企画ディスティネーションキャンペーンが本格的に展開される。旅の楽しみは何と言っても、その土地ならではの「食」である。伝統の味にさらなる磨きを掛けて、多くの観光客を迎えてほしい。