真夏を思わせる暑さも吹き飛ぶ、3時間超えの大熱戦だった。今夏初戦敗退の小山が6点差を追い付き、王者・作新を相手にがっぷり四つ。斎藤崇(さいとうたかし)監督は「選手たちは良くやってくれた。力の差は迫ってきたが、これを乗り越えないと」と延長での敗戦に悔しさをにじませた。

 土俵際に追い込まれてから意地を見せた。六回に2点を追加されて6点差。コールド負けもちらつく中、沈黙していた打線が一気に爆発した。

 口火を切ったのは2番上野竜之介(うえのりゅうのすけ)。2四球と安打でつくった無死満塁の好機に、「内角の球には自信があった」とフェンス直撃の二塁打で2点を返した。これに奮起した4番青木大空(あおきそら)が「ここで打たなきゃ勝機はない」と2点適時二塁打を放つと止まらない。

 「先輩たちがつないだ打線。何が何でも打つ」と1年生の5番山口広大(やまぐちこうだい)が左前適時打で続く。さらに主戦大友直樹(おおともなおき)も適時内野安打。打者10人で一挙6点を奪い、試合を振り出しに戻した。

 夏場の悔しさがナインを強くした。「8月に花巻東(岩手)と試合をして大敗。自分たちに足りないのは打撃力だと痛感した」と青木。「取られたら取り返す」の精神がチームの柱になった。

 ただ、接戦を演じただけに悔しさも残る。11回を1人で投げ抜いた大友は、帽子を目深に被り人知れず涙を流した。

 「安定した制球力と速球を磨く。どこにも負けない投手を目指す」。冬を越し、春に見せるナインの姿はさらに輝きを増すはずだ。