最後の1滴まで残さぬよう、急須を振って茶わんに注がれた日本茶。見た目は普通。だが口に含むと、想像以上の甘みが広がった。

 「日本茶は苦い、渋いと思われがちだが、本当は甘い物。概念を変えられたら」。小山市宮本町2丁目にある日本茶カフェ「ちゃみせ茶るん」の店主小林博さん(63)は、お茶のソムリエともいわれる「日本茶インストラクター」だ。

 おばあちゃん子で「物心付いた時から日本茶を飲んでいた」。サラリーマン時代は仕事の合間に静岡や京都、鹿児島など産地に足を運んだ。56歳で会社勤めをやめた後、大好きなことを仕事にしようと、2009年4月に日本茶インストラクターの資格を取り、12年2月に現在の店を構えた。

 日本茶の味は「湯の温度」「湯の量」「茶葉の量」「茶葉を湯に浸す時間」で決まるという。香りが特徴のお茶は高めの湯にするなど、茶葉に合わせて調節する。「丁寧に扱わないと乱暴な味になる」と注意を払い、「一杯目を飲んだ時のお客さんの表情を見るのが楽しみ」と優しく笑う。

 茶葉も販売し、入れ方を知りたい客には出し惜しみせず教える。「家でもおいしいお茶を飲んでほしいから」。愛する日本茶の良さを広めたいと願っている。