常に「選ばれるFM局」に

 若者のインターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の広がりで、放送と通信の境目がなくなってきている。音楽などを放送で聴くのか、スマートフォンなどの通信で聴いているのかを意識することもない状況だ。「若いリスナー層をどうやって拡げるかは課題の一つ。生活の一部としてラジオを聴く習慣をぜひ持ってもらいたい」と話す。

 そうした中、栃木県の音楽文化の向上に貢献することは、地域のFMラジオ局である同社の使命でもある。県内で最大の野外音楽フェス「ベリテンライブ」が今年で15回目を迎える。昨年は過去最大の入場者となる約1万4千人が参加した。高校生ら若者層が多くを占めた。「こうした人たちに楽しんでもらうと同時に、ラジオへの関心を持ってもらうきっかけになれば」。今後も着実に育てていきたい考えだ。

 昨年10月からはスマホなどのアプリ「radiko」で「タイムフリー」と「シェアラジオ」というサービスが始まった。タイムフリーは聞き逃した番組やもう一度聴きたい番組などを1週間前までに限りいつでも聴ける。シェアラジオは誰かに聴かせたい番組をSNSを通じて届けるなど共有できる。「新たなリスナーの獲得だけでなく、ラジオの魅力の再発見につながる」と期待する。

 昨年6月にとちぎ健康福祉協会理事長から社長に就任した。さらに前職は県総合政策部長だった。「なかなか民間企業の感覚に慣れなくて」と苦笑する。それでも「車に乗ったら聴いているよ」などと声をかけられ「ありがたい」と話す。そうした「選んでくれる」リスナーやスポンサーの声に応えるため、地域に根差したラジオ局として、地域の情報を的確に届ける、質の高いコンテンツ、番組を提供していくことが重要とする。来年、開局25年を迎えるが、県民に支持されてきた存在意義を再確認し常に「選ばれるラジオ局」であることを今年も目指していく。