「栃木の今」を伝えていく

 昨年3月28日午前5時、新社屋からの放送が始まった。旧社屋からの放送は午前0時で終了。「心配で早朝から起きて待ってました。事前のテストでは1時間程度で切り替えられるはずだったんですが、後で聞いたら実際に終わったのが開始直前だったそうです」と振り返る。

 栃木会館にある放送局として半世紀にわたり県民に親しまれた同局が、開局以来初めて、移転しての正月を迎えた。今年待ち受けているのは総務省の「民放ラジオ難聴解消支援事業」、AMラジオのFM補完だ。災害時などに情報提供を確保するため中継局を整備し、建物の高層化など都市部の難聴の解消を図る事業だ。

 「予定では12月ごろに宇都宮局エリアで放送を始められるようなスケジュールですので、年明けから全力投球になります」と話す。今までのリスナーにFMで聞く人たちが加わるわけで、番組作りも見直すことになる。「ローカルって何かを再考する必要もあるでしょう。地元栃木県のことを反映していく作りで、『今の栃木県を伝えよう』をコンセプトにしていきます」。リスナーの心に残る、本当に聴きたいものを1時間のうち5分でも提供する番組編成を考えていくという。そこで魅力を創出して聴取者やスポンサーに訴えていく。

 また、パソコンやスマホなどのアプリ「radiko」はローカル局のエリアを超えたサービスで、バスケットボール・BリーグやJリーグなどスポーツ中継では聴取数が跳ね上がるという。新サービス「タイムフリー」「シェアラジオ」なども昨年から始まり、「方向性が見えてきた」と言う。高校野球放送など県外に出た出身者たちのニーズは多いはずで可能性は広がると考えている。

 新社屋はとちぎテレビの隣。災害時の報道での協調はもちろん、日常の報道番組などでの連携も課題となってくる。「大きくラジオが、会社が変わっていく時に、社員全員が同じ方向を見て、仕事ができるようにしたい」と決意を語る。