地域と歩むチーム目指す

 今シーズン、チームに加入したルーキーのうち、2人は地元日光市出身である。最近は選手引退後も栃木県を離れず、チームのフロントスタッフとして、また、選手時代に培った人脈を生かして県内企業で働く人も増えてきた。「これも地域とのつながりの一つです。就職先企業から彼らのことを褒められることが、何よりうれしいですね」と目を細める。

 サッカー界で名をはせながら全く畑違いのスポーツに関わる決心をしたのは、11年ほど前のこと。「チームがなくなったら皆に会えなくなる。私たちの〝憩いの場〟を守ってください」とバックスのファンに頼まれた。それ以来、「地域を応援するのに種目は関係ない」と、県内のプロチームを一つに集結し「“栃木県のために戦う”という文化を、日本初でつくりたい」と強く訴える。

 「例えば、日光のお祭りに日光市民しか来なかったら長く続かないですよね。ほかの地域からでも参加できるから、ずっとなくならないのです。スポーツも祭りだと思えば分かりやすい。種目は神輿(みこし)。それを担いでいる人が少なすぎるから苦労するのです。栃木はこれだけのプロチームがある県ですから、一つになったらきっと大きな力になりますよ」

 昨年10月には、全日本女子Bグループに所属する「日光アイスバックスレディース」を傘下に迎えると発表。県内には、女子が中学以降も続けられる環境が整っておらず、選手を目指す人は他県に出て行かなければならなかった。このような競技環境の改善という観点から、バックスが全面的にサポートすることを決めた。「県内のアイスホッケー文化を守るとともに、五輪代表選手の輩出を目指したい」と目標を掲げる。また、獨協医科大学と連携協定を結び、選手の治療体制を確立しながら、入院患者への慰問活動も実施する。「県内で唯一アイスホッケー部を持っている大学です。強くなるお手伝いもしていきたい」。地域密着活動に、ますます力を注ぐ構えだ。