勇気と希望与える存在に

 「飛行船」というユニークな会社名は、「ほのぼのとした姿でありながら、見る人に勇気と希望を与え、未来をイメージさせる飛行船のような企業でありたい」という強い思いから命名したものだ。本業であるリサイクルショップも、東日本大震災の発生直後から継続しているボランティア活動も、そんな思いが原動力になっている。

 東北の被災地に、自社の畑で栽培した野菜や多くの支援者からの支援物資をワゴン車で届けるプロジェクトは、昨年末で既に116便を数えた。「本当の意味での復興とは、被災者の方々が生活を取り戻すこと。僕らの活動は本当に砂粒のように小さなものかもしれないが、官ではなく、民間の人間たちが諦めないでずっと続けていくという決意を示さなければ駄目だと思うんですよ」

 震災を機に生まれた東北との強い絆。昨年夏、台風10号による河川の氾濫で高齢者グループホームの9人が死亡する大規模災害が発生した岩手県岩泉町へも、現地からの要請を受け、コメや野菜などの救援物資を携えて駆け付けた。

 今年は、そうしたボランティア活動の柱である自社農場の規模拡大を図るため、農業法人の設立を予定。さらに会社の寮の建設を計画しており、「東北で仕事が見つからず、こっちで働きたいと思う被災者がいれば、住み込みで受け入れられる態勢を整えたい」と熱く語る。

 本業のリサイクルショップは昨年12月から「時間革命」に取り組み始めている。新たに毎週水曜を定休日に設定したほか、夜は遅くても7時半過ぎには全社員を帰宅させているという。「被災地の人たちと交流を続ける中で、人の暮らしの原点は家族と地域にあると再認識しました。社員が家庭と近隣を大切にしながら安心して働ける会社を目指していきます」

 常に未来を見据え、勇気と希望をエネルギーに「飛行船」は高く飛び続ける。