教育重視し地域支える

 法人名にあるヒポクラテスは「医学の父」として知られ、医療倫理などの教育にも熱心だったという。近年の医療は病院だけで完結せず地域を包括的に考える時代になった。「そこで病院のスタッフが『できない、分からない』と応えていては困る。何事にも『どうすればできるだろう』という姿勢が必要です」と語る。チーム医療など、多様性が進めば進むほど、医療・介護福祉の現場には「教育が重要です。ヒポクラテスにあやかったのもそうした思いからです」と現場力の向上に傾注していく。

 院内には20からなるクレド(信条)が掲げられ、スタッフは毎日のように読み返している。医療現場では何らかのインシデント(事故になりかねない事例)、アクシデント(医療事故)が起こるのは避けられないが「その事故を振り返ると、クレドのいずれかの項目に該当するんです。『こうすべきだった』と。いわばこれらは私からの現場へのメッセージです」と言う。内科と透析科といった診療だけでなく通所施設、老健施設も抱えており、患者や通所者とのコミュニケーションの高さも求められる。「例えば患者さんの家庭の事情なども理解し、ささいな言葉掛けにも注意が払えなければ」と相手をおもんぱかる心の大切さを求める。

 レベルアップは診察の面でも進めている。腎臓病の患者が透析を受けながら他の病気を併発することも多いため、最新の検査技術の導入で「当院でも検査ができるレベルにさせていくのが目下の目標です」。昨年からCTアンギオや、血液の流れも解析できる血管造影CTといった画像診断技術も備えた。

 上都賀郡市医師会では生涯教育委員会委員長も兼務するなど院外でも「教育」に関与。昨年は市民公開講座に法相宗大本山薬師寺管主の山田法胤(やまだほういん)氏を招いた。「地域の皆さんを支える意識をこれまで以上に高めたい。同じ仕事をするにも、その方が面白いし、やりがいも出てくるものです」と目を細めた。