長く寄り添う「美養室」に

 創業54年目、宇都宮を中心に14店舗のヘアサロンと写真館、カフェなどを運営する。2010年に先代の後を引き継ぎ社長に就任して6年、「伝統を守りながら、壊し、新しいものをつくるという『革新』の役目を担ってきました」と回想する。昨年は「感謝」をテーマに、全てのことを見直す一年となった。当たり前だと思われるものを一つ一つ見直していく中で、「大切に育てていかなければいけないのは、スタッフだと再確認しました」と話す。

 このような経験を踏まえ、今年は「再構築」をテーマに掲げる。「お客様をハッピーにするのは一スタッフ。だからこそスタッフが楽しく働ける環境づくりに取り組みたい」と言う。同時に、お客様に提案できる商品や知識、サービスの充実にも尽力する。既に高齢者の無料送迎を実施しているが、このようなサービスをさらに突き詰め、「移動美容室、結婚や子育てなどで一時仕事から離れてしまった美容師の職場復帰のお手伝いができれば」と展望する。

 背景にあるのは、美容師減少という業界の現状である。「人の成長は経験でしか養えません。技術教育と併せ、人間力をつける教育もしていきたいですね。53年、人を育ててきた教育システムを、自社のためだけでなく業界の発展のために使っていきたいと思っています」

 超高齢社会になり、「今後は美容室に求められるものも変わっていくのでは」との思いもある。これまで、美容室には〝かっこいいヘアスタイル〟が求められていたが、人の関心事は健康やアンチエイジングに変わりつつある。とはいえ髪だけのアンチエイジングでは限界もあり、食事や睡眠など生活全般にも気を配ることが不可欠だ。そうして行き着いたのが、休養、栄養、教養を提供できる「美養室」でありたいとの思いだった。「その人に長く寄り添い、健康で美しく年を重ねるお手伝いをしていきたい。そんなビューティアドバイザーを育てることが目標です」